おすすめの本(高校生・大学生・大人編)世界2.0 メタバースの歩き方と創り方

世界2.0 メタバースの歩き方と創り方

著者:佐藤航陽(さとうかつあき)
出版:幻冬舎


<著者紹介>
株式会社スペースデータ代表取締役社長。
1986年、福島県生まれ。早稲田大学法学部在学中の2017年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8カ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。累計100億円以上の資金調達を実施し、年商200億円規模まで成長させる。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。衛生データから地球全体のデジタルツインを自動生成するAIを開発。現在も「テクノロジーで新しい宇宙を作り出す」ことを目的に研究開発を続けている。米経済誌「Forbs」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbs 30 Under 30 Asia)や「日本を救う起業家ベスト10」に選出される。著書「お金2.0」が20万部を超えるベストセラーとなり、2018年のビズネス書で売上日本一を記録した。

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イープラン学習室で、2021年より開始したプログラミング教室の開講意図は、プログラミングが間違いなくこれからの未来に役立つ知識だと感じたからです。

それと同時に、これまで保護者様から、ゲームばかりして勉強しないというお悩みをたくさんお聞きしてきた中で、その答えの一つになるのでは、という考えもありました。
ゲームは本当にいけないことなのでしょうか?
子供にとって、ゲームがダメなのではなく、勉強しないことが心配なだけなのではないでしょうか?

Z世代にとって、ゲームは人とのコミュニケーションの一つでもあり、共通言語にもなり得ます。
インターネット産業では、日本は全く世界への影響力を失っていきましたが、メタバースにおいては、日本は極めて優位な状況にあるとも言えそうです。それは、アニメ、ゲームなど、日本がコンテンツ大国だからです。
今後、さらにゲーム業界は巨大産業となり、プログラマーやクリエイターは引く手数あまたとなるでしょう。

誠に残念ながら、なかなか私はゲームに精通できないのですが、我々世代の心配をよそに、日常的に3次元仮想空間でゲームをしながら友達とコミュニケーションをして育った子供たちは、数年後には大人になって、社会で働き始めます。
かつてのSNSや YouTubeのように、「子供たちがすでに当たり前にやっていて、大人はピンとこない」ということからしても、確実に、メタバースは大きな可能性があるのだと著者は言います。

佐藤氏曰く、メタバースは今の10代が大人になって社会で大きな力を持つようになったころ、本領を発揮となり、今の私たちでは予測もつかないような使い方を見せてくれる。

では、大人はどうすべきでしょう?
もう、子供に対して、道を指し示すものだと思い込まなくていいかもしれません。
もちろん、先人の知恵を伝えることは必要です。しかし、大事なことは、大人が生きた20年と子供たちが築くこれからの20年は劇的に変わること、そして、大人もその中で、子供たちと共に夢を持って生きていくのだということでしょう。

まずは、心の準備に取り掛かりましょう。


目次

序章 メタバースとは何か?

*バズワードに対する人間の態度
*テクノロジーの進化を予測する方法
*タイミングがすべてを決める
*ある悲劇の天才、「早すぎる男」
*周囲の反応はリトマス紙
*メタバースは今がタイミング
*「子供の遊び方」は「未来のあり方」
*期待と幻滅のサイクルを乗り超える
*「何もない」は最大の武器
*失敗から学んだ意思決定の難しさ
*堀江貴文の驚異的な先見性と解像度
*国家戦略としてのメタバース
*コンテンツ大国日本の強み
*日本経済復活のカギはメタバースしかない
*メタバース産業に取り残される最悪なシナリオ

第1章 メタバースの衝撃

*人類が目指した究極の問い
*テクノロジーの役割とは既得権益の民主化である
*テクノロジーとは「運命に抗う武器」だ
*メタバースは「神の民主化」
*巨大IT企業の新たな主戦場
*メタバースに関する3つの武器
*早過ぎた『セカンドライフ』の功罪
*革命の本質はインターネットの3次元化
*VR端末の普及は遅れてやってくる
*VRデバイスの普及までの課題
*VR端末が普及するための3つのアプローチ
*VR末端が普及するための技術的ハードル
*メタバースは「ゲーム」こそが入口
*王手をかけるEpic Gamesと背中を追うFacebook(Meta)
*ブロックチェーンやNFTとの相性
*Web3とクリエイターエコノミー
*Web3時代の覇者となる人
*B to Bビジネスとしての技術
*国土交通省の「PLATEAU』
*デジテル・ネイティブですら「老害」になる日
*『マトリックス』や『竜とそばかすの姫』が現実になる日
*現実よりも魅力的なバーチャル・ディズニーランド
*ハリウッド級映画を一人で作る天才児の誕生

第2章 世界の創り方 I (視空間)

*世界とは何か?
*人間は誰しも人間の専門家
*VTuberとバーチャル・ヒューマンの躍進
*AIがアバターを自動生成する未来
*人間は驚くほど世界の風景を覚えていない
*「日本っぽさ」「東京っぽさ」「アジアっぽさ」の本質
*現実っぽく見えるけど、この世に存在しない新しい世界
*世界を自動生成するプロシージャル・モデリング
*ミラーワールド=並行世界の実現
*メタバース構築のための3つのアプローチ

第3章 世界の創り方 II (生態系)

*成功を分けているのは「世界の解像度」
*秋元康の世界の捉え方
*「生態系」としての世界と、「空間」としての世界
*世界とは複雑な生態系の重なり合い
*世界を変える=新しい世界を作ること
*うまく回っている生態系の特徴
*カリスマの求心力と生態系の慣性力
*生態系の役割と価値の種類
*生産者(価値を作る人)と消費者(価値を感じる人)
*参加者の二面性
*生態系の起点は「生産者」の側にある
*「鶏が先か?卵が先か?」問題
*生態系の設計者の仕事
*生態系を一つの生命のようにとらえる
*生態系をより強固にしていくためには?
*参加者個人を惹きつける仕掛け
*生態系が有機的に進化する瞬間
*生態系のデザインにおいて重要なこと
*世界を創ることが未来の仕事になる
*目に映る「空間」としての世界
*無数に広がる多次元的な並行世界

第4章 競争から創造の世紀へ

*村上龍の小説『希望の国のエクソダス』
*人間は辺境に進み続ける
*ツイッター感覚で世界を創る
*メタバースによって変容する「個人」
*本当の自分とは?外見と内面の密接な関係
*魅力的な人格を作り出すスキル
*「個性格差」という負の側面
*商業主義から価値主義への転換
*「なりたい自分で生きていく」
*「ルネッサンス2.0」の黄金時代

第5章 ポストメタバースの新世界

*アルゴリズム民主主義:リアルとバーチャルの逆流現象
*アルゴリズム民主主義下のメタバースの役割
*世界のルールが変わるきっかけ
*近未来の戦争のカタチ
*人類に残された最後のフロンティアは宇宙空間と仮想空間
*宇宙開発とメタバースは同時並行で進む
*宇宙の本質は物質(ハード)は情報(ソフト)か
*量子コンピュータとの融合の可能性
*機械を作り出す機械・世界を創り出す世界
*バーチャル・タイムトラベル
*脳科学との融合で実現するリアル『マトリックス』
*メタバースの先はユートピアかディストピアか?

終章 世界の真実は自分の目で確かめるべき

知りたい欲求

私が楽しいと感じる時の一つに、「何かについて、知りたい!と思いついた瞬間」があります。

その瞬間は、ふとした時にやってくるのですが、その「知りたい欲求」はものすごい原動力になり得ます。
それは、単に、「何かを知りたい」というものもあれば、「これをやったら、自分はどうなるだろう?」という、自分の未来を知りたい、というものも含みます。

私は、メタバースというワードが気になり、そういう気になるワードがあるときは、私の場合、少し変わっていると思いますが、AMAZONで検索するんです。そして、メタバース関連の書籍がどのくらい出ているか調べるんです。
2022年3月時点では、出版年の新しいものは数冊しか検索に上がってきませんでした。
しかし、4月になると、瞬く間に増え始めました。
そして、「知りたい欲求」が高まっているときは、その知りたいワードの関連書籍を数冊〜10冊程度購入してみることもあります。
購入する時には、もちろん出版年やレビューはものすごく意識しますが、しっかり選んだつもりでも、やはり欲しい内容ではない、読みにくく感じた、つまらない、などの理由で、読み捨てることも多々あります。
しかし、ある程度の塊で関連書籍を眺めてみると、何かが見えてきたりするものです。
それが私の場合、頻繁にあるものですから、その一つ一つの知りたいワードに、必ず期待通りの着地地点があるというわけでもないのですが、なんとなく、人生を豊かにしてくれる読書術だと思って、これまで贅沢に本に触れてきました。

本書の最後に佐藤氏の私的な内容の記述があるのですが、このエピソードは少し神秘的で、新しいメタバースの世界を構築している佐藤氏の、どこかロマンの根源のように感じます。
佐藤氏は、書籍を書くのはこれが最後になる予感がすると書いていて、なぜか、それを読んだとき、私のこれまでの読書方法は一段落し、紙の読書を終了し、電子書籍のみにしようと、決意しました。

そして、「知りたい欲求」がむくむくと湧いてきたときは、これまでAMAZON書籍検索一択に近かったところを、YouTubeを中心に検索する方法に変えてみました。YouTubeで出てきたワードをさらにGoogleで確認検索したり、その上でAMAZONの電子書籍で関連事項の最終確認や深掘りをするというような方法に移行しています。TouTubeも、本当に検索に適しているのだと感心しました。そして、読書ではさらに、Audibleという音声読書も試しています。まだまだ扱う書籍数は少ないですが、耳で古典文学に触れるのは心地いい時間となりつつあります。

みなさんも、「知りたい欲求」が出てきたとき、それにうまく乗っかって、自由の旅に出てみませんか?