ビジネスマンの父より息子への30通の手紙

著者：キングスレイ・ウォード
訳者：城山三郎
新潮社文庫

父親が自分と同じ道を歩もうとする息子に向けて送る、人生の知恵とノウハウを詰め込んだ30通の手紙を集めたものです。

序章の段階で、子供に対する深い愛情と、親子の言葉を超えた普遍的な人生の教訓を感じて胸が熱くなる内容です。

大きな手術を受けた作者が半ば遺書の代わりに書いたとも言われる本書は、1985年の初版であるにもかかわらず、今も新鮮で時代や国を越える内容となっています。

以下に目次を載せておきます。是非手に取っていただきたいです。

目次

実社会に出発する君へ

第1通　あえて挑戦を

名門私立大学に合格したが気後し、やっていけるだろうかと迷っている君へ。

第2通　教育の設計

いつ、何を、どう勉強すれば、充実するのか、将来に備えて。

第3通　成功について

父親にはかなわない？いずれ父親を振り回すようになるのに。

第4通　惰性的な生き方には

「ミソサザイの翼で鷲のように飛ぶ」ことはできない。下降する成績に歯止めを。

第5通　実社会で最初の日々

いよいよ実業界に足を踏み入れたが、一抹の不安を感じないではいられない君に。

第6通　誠実さの代価

ビジネスで最も重要なルールは君が真実を語らなかったと、決して人に言われないことだ。

第7通　「企業家」とは何か？

冒険心と自信。危険への備えはどうするのか。

第8通　経験の重みに代えて

新たに販売部長に就任した君。経験が基本条件の部署だが、しかし君にはそれがない。

第9通　部下との衝突

衝突で何を得、何を失ったか。回避の道はなかったか。

第10通　共同事業への誘惑

一攫千金のうまい話にさめた目、さめた手段を。

第11通　結婚を気軽に考えないで

結婚という投資による損失は大きい。よき妻の条件とは。

第12通　事業を拡大する上で重要なこと

事業を大幅に拡大するについて、二、三の大きな問題点を見落としてはいないか？

第13通　金銭感覚はどうなっているのか

高額の勘定書が会社に回されてくる。いささか不安を感じて一つ尋ねたい。

第14通　講演は自信をもって

母校の講演を引き受けたものの、大勢の前で話す場面を想像し愕然としている君に。

第15通　礼儀正しさにまさる攻撃力はない

仕事仲間に誇りを持って紹介できる社員とはどんな人物なのか。

第16通　銀行融資をとりつけるには

実業家は銀行の有難味をよく忘れる。君も目的に夢中で、銀行を過小評価していないか？

第17通　政府の検査官について

恐れることはない。政府は私たちの事業を助けるためにあり、実際に助けてくれるはずだ。

第18通　多角経営は会社を安定させるか

会社は一つの分野だけの経営が強いのではないかと、多角化の根拠を尋ねる君へ。

第19通　読書の価値

「一冊の本しか読まない人に気をつけよう」これ以上つけくけ加える必要があるだろうか。

第20通　効率的な管理とは何か

それは部下とのチームワークである。が、活用されることの少ない方法の一つでもある。

第21通　人生の幸福とは

「人生の『真』の幸福とはどのようにして手に入れるのか？」と問いかける君に。

第22通　社員を解雇するとき

気の重い神経の疲れる任務だが、それもまた、経営を向上させるうえでの大切な仕事だ。

第23通　友情は手入れしよう

仕事では何人かの友人ができた。が、昔の友達に会う機会がないと悩む君に。

第24通　批判は効果的に

人はそれぞれ性格や性壁が違う。思慮深い批判を与える人は決してこの事実を忘れない。

第25通　自分の財布の管理も計画的に

「予期せぬ請求書」のために、個人的な借金を申し込んできた君に、一言いう。

第26通　常に備えよ

最近の経営不振から、会社は将来まで耐え抜けるだけの準備があるかと動揺している君へ。

第27通　ストレスと健康

君に最も適した、くつろいだ状態になるために・・・・

第28通　優れた指導者の条件

業界団体の会長に押されたが、３５歳ではその地位は務まらないと思っている君に。

第29通　生活バランスを保とう

社長に任命されて以来仕事に精勤する君に。仕事と同等に大切なものもあるのでは・・・・

第30通　あとは君に任せる

君は後継者になった。もう仕事に口を出すつもりはない。私の人生を楽しむだけだ。